イースターとパスオーバー - ..one Lovely Day
イースターは、十字架にかけられて死んだキリストが、復活したことをお祝いする行事なので、再生の象徴である卵、そして多産・繁殖力の象徴であるうさぎがよく使われます。キリストは3日目に生き返ったので、イースター前の金曜日はキリスト受難のグッドフライデー。
そしてイースターそのものは、もともとはユダヤ教のPassover(過越し祭)からきています。この時期はイースターを祝うクリスチャンと、パスオーバーを祝うユダヤ人で混ぜ返しているわけですね。
Passoverは、神に導かれたモーゼが、奴隷であったユダヤの民を解放し、エジプトから脱出し、晴れて自由の身となったことをお祝いする行事です。
イベントや決まり事がとても興味深いので子供向けにパスオーバーを説明している本を読んでみました。絵がとても可愛らしいの。
Passover: Celebrating Now, Remembering Then
出エジプト記で、神がエジプトに災いをもたらした時、戸口に子羊の血で印をつけたユダヤ人の家だけは通り過ぎた話は有名ですが、Passover(過ぎ越す)の名はそのままここからきています。その後モーゼとユダヤの民は、なんとかエジプトから逃げ出し、40年にわたり荒野を彷徨うわけですが、その先祖たちの辛い経験を忘れないため、また子供達に歴史を継承するためにも、このお祭りはとても大切にされているそうです。お祝いの期間は8日間。今年(2012年)は4月6日のサンセットから、14日の夜まで続きます。
Seder Plateと呼ばれる最初の食事は、シンボルで満ちあふれた食事です。Haggadah(=telling)と呼ばれるユダヤの典礼書をもとに進められていきます。
・Beitzah(ゆで卵)再生や生命の象徴
・Charoset(砕いたナッツとりんご、ワイン、シナモンを混ぜ合わせたもの)ユダヤ人が奴隷時代に建築用のブリックを作っていたことに由来
・Karpas(野菜)これを塩水に浸して食べる。塩水は奴隷時代の汗と涙の象徴。
・Z'roah(ラムの骨肉)生け贄、Passoverナイトの象徴
・Chazeret(苦い野菜)と・Maror(苦いハーブ)は、奴隷時代の辛い日々の象徴。
今の時期、6つのくぼみがあるお皿をよく見かけるのも、このためなのかと納得しました。
またこの期間は、Matzoと呼ばれるイースト菌の入ってない、特別な製法で焼かれたパンを食べます。" Eat nothing made with yeast. Wherever you live, you must eat unleavened bread." Exodus12(NIV)
モーゼ達はパンを発酵させる時間もなく、ガチガチでぺったんこのパンを持って急いでエジプトを出なければならず、その再現だそうです。
そして4杯のワインか葡萄のジュースを飲みます。これは聖書で語られる4つの約束、"I will bring out," "I will deliver," "I will redeem," and "I will take." からだとか。
この最初〜2日目の食事だけはとても大切にされ、ほとんどのユダヤ人が家族や親戚で集まって食べるとも言われています。食事の間にはお約束の物語が語られたり、象徴的なイベントも行われるようです。宗教と歴史が合わさった大切な行事なのでしょう。ユダヤ人が受難〜脱出〜自由人として生まれ変わったこの時期、キリストもまた受難(死)〜再生したとされ、鳥や動物たちが卵を産むこの時期の雰囲気と重なり、春らしくウキウキする、喜ばしいお祝いとなるのですね。
日本だと、お盆なんかが似たような感じでしょうか?
昔ながらのおうちは迎え火や送り火をしたり、決まったお供えと決まった行事を家族みんなで行いますし、自分たちのルーツを大切にするという意味でも。
東京の核家庭育ちの私には、どれもこれも憧れですなあ。
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