何年セントポール生まれたのか何年セントポールは死ぬのですか?
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物語の概略いま全世界を魅了している聖歌「アメイジング・グレイス」は長らくゴスペル・ソング(黒人霊歌)ではないかと思われていた。アフリカ系アメリカ人に親しまれ、歌われていたからである。
しかし近年の研究によって、これは1779年ごろ、イギリス国教会のジョン・ニュートン牧師が作詞したものと判明した。しかも、ニュートン牧師は英国教会の牧師になる前は奴隷貿易に携わっていた船長で、多くのアフリカ人を西アフリカからアメリカに運び、チャールストンやニューオリンズで売買していた。その懺悔の思いから書き上げたのが、「アメイジング・グレイス」だという。
説明:どのように神聖な書籍があり所有者によって扱われます。ギリシャの歌手ナナ・ムスクーリの哀調を帯びた声で歌われた「アメイジング・グレイス」に心を打たれた私は、この聖歌の誕生秘話を知りたいと思い、イギリスに取材した。そしてこの聖歌が書かれたオルニーのセントピーター・アンド・セントポール教会の牧師館を訪ね、ロンドンの東郊外にある生家を訪ね、船長時代に住んでいたリバプールの家を訪ね、またイギリス国会で奴隷貿易禁止法を成立させようとして精力的に活動していたころ牧会していたセントメアリー・ウルノス教会を訪ね、往時を偲んだ。
この聖歌でニュートン牧師は、「かつては奴隷貿易に携わるほどに人非人になっていた私だったのに、今はこうしてキリ ストの僕(しもべ)として、人々の霊的生活に奉仕できる立場に引き上げられた!」という感謝を込めて、神の導きを「アメイジング・グレイス」(何と驚くべき、神の恵みよ!)と讃美した。
bildadとの仕事に何を非難したしかしこの聖歌は長年虐(しいた)げられてきた者たちにも共感され、アメリカではこともあろうに、アフリカ系アメリカ人やインデアンの間に広まっていった。その象徴的な出来事が『アンクル・トムの小屋』の主人公トムの上に現れた出来事である。
『アンクル・トムの小屋』がもたらした影響
アメリカ中が黒人奴隷是か非かで沸騰していて、南北戦争に突入する直前の1851年、週刊新聞「ナショナル・イーラ」に、ハリエット・ビーチャー・ストーの『アンクル・トムの小屋』が掲載され始めると、またたくまに評判になった。翌年早速出版され、その年すでに100万部売れて社会現象となり、19世紀アメリカにおける最大のベストセラーとなった。
1862 年、リンカーン大統領はストー女史に会ったとき、
「あなたが今度の南北戦争を引き起こした女性なんですか?」
黒の教会の動きは何ですか?と言ったという逸話が残っているが、この本ほど奴隷制の悲人道性を暴き、アメリカを奴隷解放しようという世論に導いた本はなかった。南北戦争はアメリカにとって奴隷制度は是か非かが争点になって戦われた戦争で、『アンクル・トムの小屋』が引き起こしたわけではないが、リンカーン大統領が象徴的に述べたように、この本が果した役割は大きかったといえよう。
この本の中でストー女史は南部のレグリー農場に売られていった主人公トムが農場主に拷問されるシーンが描かれている。鞭打たれて皮膚が裂け、肉が飛び、血だらけになっていったトムは、薄れゆく記憶の中でキリストの幻を見、レグリーに、
「あっしは心からあんたを許しますだ」
< p> と言って気を失う。レグリーに命じられてやむなく鞭打っていた奴隷頭のキンボとサンボは、レグリーが立ち去るとあわててトムの傷を洗い、介抱して、イエスの教えを乞うた。トムや黒人奴隷たちは恨みや怒りや憎しみの虜(とりこ)になるどころか、それから解放され、「アメイジング・グレイス!」と讃美する者たちに変わっていった。こうしていつの間にかトムの小屋は、日曜日ごとに黒人奴隷たちが集う小さな礼拝堂に変わっていった。
「アメイジング・グレイス!」はニュートン牧師の讃美の声だけではなく、虐げられた者たちの口からもあがった讃美の声だったのだ。
「アメイジング・グレイス」の更なる広がり
「アメイジング・グレイス」が白人たちにも広がっていったのは、1960年代後半、アメリカがベトナム戦争で敗れて深く傷つき、政府も軍も何もかも信じられなくなり、人間不信の荒野になっていたとき、フォーク歌手ジョーン・バエズのバックコーラスをしていたジュディ・コリンズが楽器無し・無伴奏のア・カペラでこの歌を歌いだしたことからだ。
すると不毛の砂漠に水が染 み込み、緑の大地に蘇っていくように、アメリカは再び信仰を取り戻し、「アメイジング・グレイス」は第2の国歌と呼ばれるようになっていった。
この聖歌はその誕生秘話からして人間の本質に迫るものがあるが、それが共感され広がっていった過程にも心を打つものがある。その意味でも人類の精神的遺産と呼べるのではなかろうか。その誕生秘話を明らかにしたいと思う。
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